独学で東大院機械工学専攻の院試対策

2023年度入試に他大から独学で合格した男による、下剋上の物語。

弱者の戦略

お久しぶりです。ネクタリンです。

正攻法で勝てるはずがない

例年機械工学専攻の合格枠100人のうち、約70人は東大生です。彼らは悠々と上位合格していくので、余った30人の枠を約70〜100人の外部生で取り合う構図になっています。そしてその外部生には旧帝早慶のトップ層が多く含まれているものと思われます。私が第一志望にしていた研究室は旧帝の人々によって埋め尽くされていました。怖い。面接試験の前に関西弁で話していた彼らもおそらく京大阪大あたりからの刺客でしょう。上智で私の学科から受かった他2人も、学科でトップクラスの成績でした。私は留年ギリギリだったんですけどねw

そんな化け物たちに学科内120人中100番の成績を誇る私が真っ向勝負を挑んでも勝てるはずがないと思い、弱者なりに戦略を立てていたので共有します。

TOEFLを11月に終える

TOEFLはスコアが有効期限内に入っていればいつ受験したものでもOKなので、できる限り早めに終わらせました。全受験生で私が最初に終わらせたんじゃないかと思っていますw TOEFLはスーパーハードな難易度なので、本番までもう受けなくて良いという安心感は凄まじかったです。11月に終わらせる必要はないですが、可能な限り早めに決着をつけましょう。

数学はギャンブル

私が受験した時、数学は微積線形代数複素解析フーリエラプラス・ベクトル解析・確率統計の6科目をやる必要がありました。範囲広すぎです。この全てを完璧にするのは私の能力では無理なことは自明だったので、最低限の公式や頻出の解法を覚えつつ、過去問を4〜5周だけやって終わりにしました。さらには数学力というなんとも掴みどころのない能力も求められる科目なのでタチが悪いです。大学受験も院試も結局明確な数学力は手にできないまま終わりました。私のような数学弱者の方は自分の解ける問題が出るか出ないかのギャンブルをするくらいの気持ちで望みましょう。

本番では線形代数で頻出だった2次形式が出たり、フーリエ解析で超簡単な公式代入問題が出てくれたおかげでなんとか44%の得点率で耐えられました。しかし勝ちばかりのギャンブルともいかず、ベクトル解析では(1)だけしか解けず(正解だったかも正直自信ない)、確率統計に至っては1問も解けないという始末でした。白紙で出すのは悔しいと思った当時の私は問題番号だけ書くという謎の足掻きをかましました。

得意な分野と頻出事項だけは固めて、あとは過去問ザッとやっておきましょう。1分野あたり60点ですしそこまでガチる必要はないです。

肉を切らせて骨を断つ

機械工学では過去に数回しか出ていない分野はほとんど対策しませんでした。公式は覚えて、あとは解法を少し見たくらいです。エンタルピー(熱力学)、熱放射(伝熱工学)、複素ポテンシャル(流体力学)などが該当します。中途半端に対策するくらいなら他の分野を固めたほうが良いと思ったからです。ところが私の年度ではあろうことかエンタルピーと複素ポテンシャルが出題されましたw エンタルピーは小問のうちの1つなのでまだ助かりましたが、複素ポテンシャルは流体力学の出題のうち半分を占めていました。これが何を意味しているか分かるか?つまり、お前は「終わり」ってことだよ🥴 流体力学、20点でした(180点満点)。

想定外の出題が2つもありましたが、他の分野は解法に着目すれば概ね例年通りの出題傾向でした。制御はブロック線図からプロペラみたいなやつに、熱力はサイクルやpv線図ではなく変な模式図に、伝熱は図ではなくグラフ主体になったりと、傾向と違う題材は割と出ましたが、使う知識と解放はどれも変わりませんでした。

今回の私の流体力学20点事件のようなことが起こってしまう可能性は普通にあるので、数学はまだしも機械工学でヤマを張るのはできる限り避けたいところです。しかし私程度のレベルの人間が0から独学で合格水準まで持っていくとなればこの作戦にしか勝機はなかったと思います。

俺みたいになるな!

当たり前ですけど、ヤマ張って勉強するのなんか絶対やらない方が良いです。地頭も大して良くなく、全てを独学で仕上げなければならなかった当時の私が仕方なしに選んだどうしようもない最終手段です。しかしどうしても間に合う見通しが立たなかったらこの記事を思い出して、少しくらい対策していない分野があってもなんとかなると自分に言い聞かせてほしいです。それでは、頑張って。